珪藻土コースターの洗い方、汚れの落とし方とNGなお手入れ【コーヒー、シミ】

珪藻土のしつこい汚れの原因

珪藻土コースターを使っていると、いつの間にか目立つシミができていることがあります。特に紅茶やコーヒー、色の濃いジュースをよく飲まれる方なら、「洗っても落ちない…」という経験をお持ちかもしれません。

実は、このしつこい汚れには珪藻土の構造が深く関係しています。

汚れが落ちにくい理由

珪藻土は、珪藻(けいそう)という植物性プランクトンの化石が堆積してできた天然鉱物です。珪藻の外殻には無数の微細な孔(穴)があり、これが優れた吸水性や消臭力の源となっています。

しかし、この構造が汚れに対しては弱点にもなります。
飲み物の色素や手垢、ホコリなどが孔の奥深くまで入り込むと、表面を洗うだけでは取れない頑固な汚れになってしまうのです。

間違った対処法は逆効果に

焦って強くこすったり、間違った方法で洗い流そうとすると、かえって汚れが広がったり、珪藻土の吸水力が低下したりすることがあります。

珪藻土コースターを長く美しく使い続けるためには、汚れの特性を理解し、適切な方法でお手入れをすることが重要です。

珪藻土コースターの汚れを落とす3つ方法【汚れのひどさ別】

珪藻土コースターの汚れは、早めの対処が肝心です。汚れの程度に応じた、3段階のお手入れ方法をご紹介します。

これらの方法を適切に使い分けることで、珪藻土コースターを長く清潔に使い続けることができます。

【軽い汚れの場合】珪藻土コースターにコーヒーをこぼした時

珪藻土コースターにコーヒーや紅茶をこぼしてしまったら、慌てずに素早く拭き取りましょう。

  1. こぼれた液体をティッシュなどで吸い取る
  2. 流水でさっと洗い流す
  3. 布で軽く叩くように水分を取る
  4. 風通しの良い日陰で立てかけて乾燥

この基本的な水洗いと陰干しは、珪藻土コースターの日常的なお手入れ方法でもあります。汚れが目立たなくても、定期的に洗うことで孔の詰まりを防ぎ、吸水力を維持できます。

【しつこい汚れの場合】水洗いで落ちないシミには

紅茶やコーヒーの色素が珪藻土コースターに染み込んでしまうと、水洗いだけでは落ちにくくなります。この場合は塩素系漂白剤の出番です。

  1. 布に液体漂白剤を少量つける
  2. 汚れ部分を軽く叩くようになじませる
    • ひどい汚れには直接漂白剤をつける
  3. 数分置いて効果を確認
  4. 流水でしっかり洗い流す
  5. 風通しの良い場所で陰干し

この方法で、珪藻土のしつこい汚れは落とせます。ただし、印刷の色も多少薄くなる可能性があるため、漂白剤の使用は必要最小限に留めましょう。

【頑固な汚れの場合】最終手段はヤスリ

汚れが珪藻土の奥深くまで入り込んでしまい、漂白剤でも落ちない場合は、ヤスリで物理的に削る方法があります。

  1. 300~400番の細かい紙やすりを用意
  2. 汚れ部分を優しく、少しずつ削る
  3. 削りカスを流水で洗い流す
  4. しっかり乾燥させる

削ることで汚れが取れるだけでなく、詰まっていた孔が開いて吸水力が回復します。ただし、印刷している箇所をヤスリで削ると、その印刷部分も削れます。

2020年〜2021年にかけて、大手家具メーカーを含む複数の企業から販売されていた珪藻土製品から、基準値を超えるアスベスト(石綿)が検出され、問題となりました。
本来、純粋な珪藻土にアスベストが含まれることはありません。問題となったのは、使用が禁止されていない海外の製造業者が、加工材料として混入させたケースと考えられています。
これ以降に販売されている珪藻土製品は、管理体制が徹底され、アスベストの混入がないことが確認されているため、ヤスリでのお手入れも行えます。2021年以前に購入したコースターにはヤスリを使用しないでください。
詳細は石綿(アスベスト)を含む流通製品の情報について|厚生労働省でご確認ください。

珪藻土コースターのNGなお手入れ【厳禁!】

珪藻土は優れた吸水力を持つ反面、扱い方を間違えると簡単に劣化してしまうデリケートな素材です。続いては珪藻土コースターのお手入れで絶対にやってはいけない、NGな洗い方を3つご紹介します。

1.食洗機は使用厳禁

最もやってしまいがちなミスが、食洗機での洗浄です。他の食器と洗ってしまいたくなりますが、これは珪藻土にとって致命的です。

珪藻土の優れた吸水力が、他の食器の汚れが混じった水まで大量に吸い込んでしまいます。かえって汚れが目立つようになったり、孔が詰まって吸水力が激減する原因になります。

同じ理由で、汚れたスポンジや布巾で珪藻土を洗うのもNGです。珪藻土コースターは必ず清潔な布やティッシュでお手入れしましょう。

2.洗剤・石鹸は絶対ダメ

食器用洗剤、石鹸、重曹など、どんな洗浄剤も使用は珪藻土コースターには厳禁です。

洗剤成分が珪藻土の無数の孔に入り込むと、それらが詰まって水を吸わなくなってしまいます。一度詰まってしまうと、元に戻すのは非常に困難。珪藻土の汚れを薬剤で落とす場合は、漂白剤と水洗いのみで対処してください。

3.天日干しで乾燥させない

「早く乾かしたい」という気持ちから、直射日光に当てるのもやめましょう。
珪藻土コースターを天日干しすると、内部の水分が急速に蒸発し、反りやひび割れが起こる可能性があります。

正しい乾燥方法は、風通しの良い日陰での自然乾燥。焦らずじっくり乾かすことで、珪藻土を長持ちさせることができます。