珪藻土コースター|カビの落とし方、NGな方法とカビ予防の基本ケア

珪藻土コースターにカビが生える3つの原因

珪藻土は本来、カビに強い素材です。
高い速乾性により湿気がこもりにくく、カビが好む環境になりにくいという特徴があります。それでも、条件次第ではカビが発生することがあります。主な原因を見ていきましょう。

カビの原因①内部に水分が残っている

珪藻土の表面には無数の微細な孔があり、これが優れた吸水性と速乾性を生み出しています。しかし、繰り返し使用していると、この孔の奥に水分が残ることがあります。

珪藻土コースターの表面は乾いているように見えても、内部に湿気がこもった状態になると、珪藻土といえども乾燥しきれず、カビが生えやすくなってしまいます。

カビの原因②汚れの蓄積がカビの栄養源に

珪藻土の高い吸水力は、水分だけでなく様々な汚れも一緒に吸い込みます。コップの跡や手の皮脂、ジュースやコーヒーの成分など、これらが珪藻土の孔に蓄積されると、カビにとって格好の栄養源となります。

清潔に見えても、目に見えない汚れが内部に溜まっていることがあり、これがカビ発生のリスクを高めてしまいます。

カビの原因③通気性の悪い場所で保管している

珪藻土には「調湿機能」があります。湿度が高い時は水分を吸収し、乾燥している時は放出するという優れた機能ですが、これが裏目に出ることがあります。

水回りや風通しの悪いキッチン下など、常に湿度が高い場所に珪藻土コースターを保管していると、使っていなくても常に水分を含んだ状態になります。さらに内部に汚れが蓄積していれば、カビの発生は避けられません。

【お手入れの基本】珪藻土コースターをカビから守るには?

珪藻土コースターをカビから守る方法は、実はとてもシンプル。日々のちょっとしたケアで、清潔な状態を保つことができます。

使用後の基本ケア

珪藻土コースターを使った後は、風通しの良い日陰でしっかり乾燥させましょう。表面だけでなく、内部の水分まで完全に蒸発させることが大切です。コップの水滴程度なら、半日ほどで内部まで乾きます。

保管場所も重要です。湿気の多い場所は避け、風通しの良い場所を選んでください。

定期メンテナンス

汚れが目立たなくても、週に1回は水拭きをすることをおすすめします。

  1. きれいな布巾を軽く湿らせる
  2. コースター表面を優しく拭く
  3. 乾いた布やティッシュで軽く叩いて水分を取る
  4. 風通しの良い場所で陰干し

定期的なお手入れには、複数のメリットがあります。
まず、見えない汚れを除去してカビの栄養源を断つこと。そして、孔の詰まりを防いで高い吸水力を維持すること。珪藻土コースターを清潔な状態を保つことで、珪藻土本来の機能を長く維持できます。

絶対ダメ!NGお手入れ方法と洗い方

珪藻土コースターを長く使うためには、正しいお手入れが欠かせません。
でも、「普通の食器」なら問題ない方法でも、珪藻土は傷めてしまうことがあります。特に注意したいNGお手入れ方法をまとめました。

1.食洗機の使用は厳禁

「他の食器と一緒に珪藻土コースターを洗えば楽」と思うかもしれませんが、これは絶対にNGです。

食洗機内では他の食器の油汚れや食べ物のカスが混じった水が飛び交います。珪藻土はこれらを吸収してしまい、汚れや悪臭の原因になってしまいます。吸水力も著しく低下します。

2.普段のお手入れに薬剤を使う

洗剤、石鹸、エタノールなどで洗うのもやめましょう。

確かに殺菌効果はありますが、これらの成分が珪藻土の孔に詰まり、本来の機能を失わせてしまいます。カビ予防のつもりが、かえって劣化を早める結果に。

普段のお手入れは水拭きのみで行うようにしてください。

3.汚れた布で水拭きする

いつも使っている布巾やスポンジには、目に見えない汚れ成分が蓄積しています。
これらで珪藻土コースターを拭くと、その汚れ成分を吸収してしまいます。必ず清潔な布を使用してください。

4.日当たりの良い場所で乾かす

早く乾かしたいからといって、直射日光やストーブの前に珪藻土コースターを置くのは危険です。

急激な水分蒸発により、反りやひび割れによる変形・破損が発生することがあります。焦らず、風通しの良い日陰でゆっくり乾燥させることが、長持ちの秘訣です。

カビてしまった珪藻土コースターを復活させる2つの方法

では、すでにカビてしまった珪藻土コースターを復活させるにはどうすれば良いのでしょうか?
以下に有効な対処法を2つ、ご紹介します。

どちらの方法も、根気よく丁寧に行えば、カビてしまった珪藻土コースターを十分に復活させることができます。

1.塩素系漂白剤でカビを除去

キッチンハイターなどの塩素系漂白剤は、頑固な黒カビにも効果的です。

部分的なカビの場合

  1. 清潔な布に漂白剤を少量含ませる
  2. カビ部分を軽く叩くように拭き取る

広範囲のカビの場合

  1. 水で薄めた漂白剤をスプレーする
    • または、薄めた漂白剤溶液に短時間浸す
  2. 全体にさっと馴染ませた後、しっかりと洗い流す

ポイントは、長時間放置しないこと。

珪藻土は薬剤を吸収しやすいため、1〜数分で効果を確認したらすぐに流水で洗い流してください。長時間の放置は変色や劣化の原因となります。

処理後は風通しの良い場所で最低1日は陰干し。内部まで完全に乾燥させることで、カビの再発を防ぎます。

2.紙やすりで物理的に除去

紙やすりで表面を薄く削り取る方法です。
漂白剤を使いたくない場合や、カビが珪藻土コースターの表面に固着している場合はこの方法が有効です。

使用する道具

  • 300〜400番程度の細かい紙やすり

紙やすりカビを薄く削る手順

  1. 円を描くように優しく表面を研磨
  2. 力を入れすぎないよう注意
  3. 削りカスをブラシや布で落とす
  4. 軽く湿らせた布で粉を完全に拭き取る
  5. 風通しの良い場所で1日陰干し

この方法の利点は、カビと一緒に汚れで詰まった孔も除去でき、吸水力が回復することです。ただし、削りすぎると表面が荒れたり吸水力が低下したりするため、「少しずつ丁寧に」が成功の鍵です。
※印刷している箇所をヤスリで削ると、その印刷部分も削れます。十分にご注意ください。

2020年〜2021年にかけて、大手家具メーカーを含む複数の企業から販売されていた珪藻土製品から、基準値を超えるアスベスト(石綿)が検出され、問題となりました。
本来、純粋な珪藻土にアスベストが含まれることはありません。問題となったのは、使用が禁止されていない海外の製造業者が、加工材料として混入させたケースと考えられています。
これ以降に販売されている珪藻土製品は、管理体制が徹底され、アスベストの混入がないことが確認されているため、ヤスリでのお手入れも行えます。2021年以前に購入したコースターにはヤスリを使用しないでください。
詳細は石綿(アスベスト)を含む流通製品の情報について|厚生労働省でご確認ください。